長良川源流
長良川の水源は岐阜県の大日ヶ岳の山中奥深くにありますが、沢を流れ下った叺谷(かますだに)に源流碑があります。
ここからさらに深い谷を流れ、途中夫婦滝で一気に流れ落ちて多くの支流から水を集めながら166キロメートルを流れ伊勢湾へ流れ込む長良川の長い旅の始まりの地点です。
名古屋からは東海北陸自動車道ひるがの高原サービスエリアからスマートI.C.(ETC専用出口)をおりれば5分ほどで国道156号に出ます。左折してすぐ分水嶺公園があります。
長良川源流碑
公園の西側の細い道から入りすぐ左折して狭い林道に入ります。
舗装はしてありますが車1台がやっと通行できる林道を進み、杉木立や別荘地帯を抜け、左手に木立の生い茂る深い沢を見ながら10分ほど進みますと林道が沢に向かって下っていき川と交差して小さな橋が架かっています。
このたもとに沢を見下ろすように源流を示す大きな石碑が立っております。
そこから人の踏みあとをたどって数メートル下の渓流へおりてみるとひんやりとした空気の中を澄み切った水がこけむした大きな岩の間を流れ落ち、少し流れの緩やかになった水面には岩魚の姿がみられます。
車で近くまで行くことのできる源流碑ですが、ひるがの高原から林道を歩いて約40分くらいだそうです。
道は平坦で遊歩道にも指定されているので歩いて訪ねれば源流の雰囲気をもっと味わうことができるかも知れません。
夫婦滝
源流碑の下流にとても美しい滝があります。
2条の滝が寄り添うように落下していることから夫婦滝と名付けられたこの滝は高さ70メートルあり、岩肌も見事な層状の岩石の地層が露出し見応えのある景観です。
この地点で地層が変化し、柔らかい地層が浸食されてこの滝が形成されたそうですが理屈抜きに素晴らしい滝です。
言い伝えによると白山を開山した泰澄大師が水垢離(みずごり)をされたといわれています。
夫婦滝は源流碑から一度国道まで戻って少し下り、大きくカーブする手前のポケットパークから数分歩いたところにあります。
分水嶺公園
標高876メートルのひるがの高原は大日ヶ岳から流れ出た水が集まり、ここから北と南へ別れて流れ落ちる分水嶺となっています。
北へ向かう流れは庄川となり日本海へ、南へ向かう流れは長良川となり太平洋へ注ぎます。
国道156号線沿いに水が別れる様子が一目でわかるように整備した分水嶺公園があります。
取材は10月半ばに行いましたが、紅葉が美しく、ここで別れ別れになって日本列島を北と南に流れ下る水の旅にもロマンを感じる公園でした。