長良川という名の由来

葛城古道
葛城古道

  彼岸花の咲き乱れる頃、仲間と共に葛城古道を歩いた。
 葛城古道とは奈良県と大阪府の県境に位置する葛城山系の東側山裾を南北に続く古道である。
 ここは古代に葛城氏の本拠地であったところで、道筋には史跡や古寺社が点在し「西の山辺の道」ともいわれている。
 歩いている途中に長柄神社があった。日本書紀には天武天皇が流鏑馬をご覧になったと記されており、本殿は春日造、檜皮葺(現在銅板葺)で正和元年(1312年)の棟札が残っているようである。
 この神社の来歴を書いた掲示板には『長柄の地名は長江(ながえ)が長柄(ながえ)になり、音読して長柄(ながら)になった。長江はゆるやかく長い葛城山の尾根(丘陵)を意味し、ナガラは急斜面の扇状地に残った古語であるとも言われている。・・・・・』と書かれてあった。

長柄神社掲示板長柄神社

 ナガラと言う地名は淀川流域にもあり、これまでも水に関連した名前であると感じていたが、岐阜県の長良川もこの系列の名前だと推定される。
 濃尾平野は古くは扇状地であったと言われており、そうであれば、古代から扇状地を流れる川、つまりナガラガワと呼ばれていたのではないだろうか。
その後ナガラ川を長くて良い川、長良川と書き表すようになったものと思われる。
 長良川という名の由来についは、定説はないようだが、扇状地が起源という説も有力だと思っている。

 栗田資夫