名古屋市熱田区 頼朝の産湯跡

誓願寺

 鎌倉幕府を開いた源頼朝は熱田神宮と縁が深く、名古屋で産まれたとされています。
 熱田神宮のすぐ西にある誓願寺(1529年建立)と少しはなれて東にある龍泉寺(りょうせんじ 1467年までは竜泉庵)にそれぞれ源頼朝が産湯をとったと伝えられる井戸がありますので取材しました。

誓願寺井戸
誓願寺井戸

 源頼朝は久安3年(1147)、義朝を父に、熱田大宮司藤原季範(すえのり)の娘、由来御前を母に生まれました。
 頼朝が生まれた平安時代の末頃、誓願寺のあたりには、熱田大宮司藤原氏の別邸がありました。このころ第一子は実家で産む習わしがあり、義朝の正室である御前も京都から熱田の実家へ帰り、別邸で出産しました。その際に誓願寺境内の井戸から産湯をとったと伝えられています。
 国道19号に面した誓願寺の山門には石碑と「源頼朝出生地」と書かれた由来を記す立て札がたっています。
 中の庭には「頼朝公産湯池」の石碑と井戸があります。

尾張名所図会
尾張名所図会

 龍泉寺には「亀井水」という当地方きっての名水と世に知れた井水があります。
 井戸田の地名はこれに由来します。
 平安時代は竜泉庵として栄えましたがその後盛衰があり、室町時代に境内の名水にちなんで亀井山龍泉寺として起こりました。
 頼朝誕生時には井戸田の津賀田神社はその産土神(うぶすながみ)として崇敬を受け、津賀田神社の神宮寺であった龍泉庵の境内の名水をもってその産湯としたと伝わります。
 亀井水は今でも龍泉寺の南に石垣に囲まれて水をたたえています。

(注) 産土神:生まれた土地の守り神
(注) 神宮寺:神仏混淆のあらわれとして、神社に付属して置かれた寺院

亀井山龍泉寺
亀井山龍泉寺







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誓願寺への地図

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