竜燈
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油ヶ渕遊園地(花しょうぶ園)
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応仁寺境内
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碧南市に愛知県下で最も大きな自然湖、油ヶ淵があります。油ヶ淵という名称の由来にまつわる伝説の地を6月上旬に訪ねてみました。
かつて、このあたりは岬になっていて、南の方はずっと海が広がっていました。
昔々、この岬の一軒家に、貧しくも漁を営みながら母子二人が暮らしておりました。子供は評判の親孝行者、母は非常に子煩悩で、息子が漁に出ている間、絶えず子供の身を心配していました。闇夜など、せめてこの小屋の前に、舟から目標になる燈火を点じたいと思っても、貧しくてかよわい母の手では、それもままならず、どうかして孝行息子のために、闇夜に一筋の光明を与えたいと、神や仏に日夜祈っていました。
応仁寺
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その甲斐あってか、息子が漁に出た夜には、不思議なことに岬の端に明るい燈明が輝くようになったそうです。
その頃、夕方になると油屋へ油を買いに来る何処の者とも知れない上品な美しい娘が村の評判になっておりました。ある日、村の若者がひそかに後をつけてみたが、岬の端まで行き、その姿を見失ったとたん、ぱっと輝く燈火に驚かされて引き返したそうです。きっと岬の主である竜が、母子のために娘に姿をかえて現れたのであろうと、村人たちはうわさをしていました。この燈明はいつしか竜燈と呼ばれ、そして幾年か後には、この海を油ヶ淵と呼ぶようになったとのことです。
油ヶ渕遊園地
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油ヶ淵のほとりには蓮如さんのお祭りで有名な応仁寺があります。ちょうどこのあたりが昔、竜燈のともったところだと伝えられています。
応仁寺境内とその南にある油ヶ渕遊園地には3万株もの花しょうぶが植えられ、毎年6月には「花しょうぶまつり」が開催されます。
私たちが訪ねた日は好天に恵まれ、白と紫を基調とした花しょうぶが美しく咲き誇っていました。
周辺の開発が進み、油ヶ淵の水質は徐々に悪化し全国ワースト3位になったこともありました。しかし、現在では下水道の整備や地元の浄化活動のおかげで大きく改善されました。
油ヶ淵
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油ヶ渕花しょうぶ園、応仁寺への地図
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