恋の水神社

恋の水神社全景
恋の水神社

 昔、京の桜町中納言の娘桜姫は、家臣の青町と恋に落ちてしまいました。
 しかし結婚は許されず駆け落ちしました。北山の里で幸せに暮らしていましたが、不幸にも青町が病に倒れてしまいました。
 桜姫は尾張国知多に霊験あらたかな「恋の水」があるのを知り、一人旅立ちました。ようやくたどり着きましたが、里人に「霊水まではまだ35里もある」とからかわれ、桜姫はその場で力尽き亡くなってしまいました。
 恋人を慕う桜姫の想いから「恋の水」は恋の病に効く霊水となりました。

 道路脇の林に水色に塗った鳥居が立っていました。
 「恋之水神社」と扁額が掲げられ、鳥居をくぐると下に降りていく参道です。小ちんまりとしたお社がありました。お社の前に半分ふたをした井戸があり、中にはきれいな水が湛えられていました。
 小さな売店があって紙コップを買い求め、そこに願い事を書く。井戸の水を汲んでコップに入れ、神前に供えると効き目があるということです。
 願掛けの紙コップが2段重ねにして供えてありました。学業向上、家内安全といったものもありましたが、ほとんどは恋の成就、結婚の願い。

恋の水神社
恋の水神社

 取材に訪れた日は風も強く、参拝者もなく、さみしいお社でした。
 ところが取材を終えて帰る頃、若いカップルや若い女性のグループがたくさん来ました。

 みなわいわい言いながら紙コップに思い思いの願い事を書きはじめました。

 ようやく辺りが「恋の水神社」にふさわしく賑やかに華やかになってきました。

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住所:愛知県知多郡美浜町奥田中白沢92

恋の水神社の地図

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