愛知県知多郡東浦町緒川に宇宙山乾坤院というお寺があります。室町時代中期(1475年)、緒川城初代城主水野貞守によって水野家の菩提寺として建立された寺です。緒川城から見て乾(いぬい・西北)と坤(ひつじさる・南西)の中間の方向、つまり西の方向にあたる場所に建てられたため、この名前がつきました。
このお寺は、山中にあるため水に乏しく、遠くまで水汲みにいかなければなりませんでした。ある日住職の宗順禅師が境内を歩いていて西に山が迫っている崖の下にきたとき、ふと立ち止まり、持っていたしゃく杖をそこに立てました。しゃく杖とは、頭部に鉄の小さな輸がいくつかついており、僧侶や修験者が持って歩く杖です。
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